出会いはいつだって突然：RODDY'S DIARY：SSブログ

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出会いはいつだって突然　[猫] [編集]

とある昼下がり。
リュウをベランダに出して遊んでいると、例によってベランダの細い塀にあがり、遥か先に見える学校の運動場に目をやる。いつものルーティンだ。
点のように見える小学生、かすかに聴こえる校内放送、いつもと変わらない光景。
ただ今日は違っていた。

うちのマンションは二階の端なんだけれど、そのマンションの真ん中あたりに何かが動くのが見えた。
今日のリュウが見ているのは運動場ではなく“それ”だった。
珍しいものを見るかのように凝視している。
なにかいるのかなと思ったら、何とそれは同じく猫だった。フサフサの長い毛に覆われた可愛らしい猫。
どうやらその猫も、リュウの鳴き声に反応して塀に上がってきたご様子。

いくつかの塀を隔てて対峙する二匹の猫。
お互いじっと見つめている。
リュウの鳴き声に呼応して向こうも鳴いている。
まさかこんな近くにお仲間がいたなんて。
乾燥した空気に二匹のメロディが鳴り響いた。